最近思うのですが、日本はとにかく医療の価値が低すぎると思います。
毎月医療費が歯医者を含めるとおそらく1人1万円くらいかかっています。私はこれをとても高いと感じてしまいます。
でも冷静に考えてみてください。
実際は、風邪をひいて治療、副鼻腔炎になって治療、虫歯になって治療、子供が風邪ひって治療、これだけやって1万円なんて夢のような話です。
治療の間では医者がいて、製薬会社がいて、薬剤師がいて、と世の中で高給取りと言われている人たちが関与しているのにかかったコストは一万円なんて普通におかしいですよね。これはもちろん国民皆保険のおかげです。
国民皆保険の功罪
日本人は根本的に医療費はかからない、安いという前提で過ごしています。
普通に考えると高い寿司屋や酒を飲むよりも、歯医者や健康診断でしっかりお金をかける方が合理的ですが、根本的に医療が安いことから、健康診断や予防などしなくても病気になっても問題ない、いざ、病気になったときはできるどけお金をかけないように保険治療ばかり行うというのが習慣化しています。
歯科の領域などは特に保険外の方がいい治療ばかりですが、それを選ぶのをなんだか損だと思ってしまうのです。
日本で未病や予防の考え方が根本的に低いのは病気になれば3割負担で治せばいいや、という方向に触れるからです。
これがもし、とんでもない金額がかかるのであれば、医療保険に入ったり、病気にならない工夫をするはずです。
だから日本はヘルスケアのサービスが少ないのです。
私たちは月額300円のサービスですら高いと思ってしまうのです。
なぜなら医療は保険内治療が前提だからです。
いい治療や予防にお金を出しずらい
仮にいい治療があっても保険外治療だととても二の足を踏みます。
先ほども言及しましたが、歯の詰め物だって保険内のものは劣化も早いし、遅かれ早かれ次の虫歯を生みます。
もともと医療は高いものだという前提がなく、保険外=定価という意識ではなく、保険内治療=定価となっているのが本当にもったいないです。
医療へのこだわりが低い
これが一番の問題だと思いますが、保険で安くできるので、やぶ医者に対するユーザーの目が甘いです。
つまり100円均一の商品の質が悪かったとしても怒らないで、無印良品で買ったものが質が悪いとクレームをつけますよね。
ようは「まあ、こんなもんか」とか「次また買えばいいか」となるわけです。
医者の方の話を聞いていると本当に医者というのは実力に差があるそうです。
それは単に経験だけではなく、感性ややる気なども影響するそうです。
やぶ医者にあたったときに「まあ、別のところにいけばいいか」となるわけです。
今の医療は買い物で言えば、100円均一の買い物と同じ行動パターンになっています。
予防や未病にお金をかけなくなる
基本的に予防や未病は保険が効きません。
もっと言えば所得税の医療費控除も予防や未病は対象外になります。(インフルエンザのワクチンなど)
こんな実態なので、予防するよりも病気になって医者にかかったほうが経済的には安く済むと思ってしまうのです。
実際にはどうなのか検討することが難しいのですが、人間はそういう心理状態になりやすいのです。
最後に
私も国民皆保険制度に救われている人間の一人なのでしょうがないですが、日本で未病や予防というのは国主導では絶対に広まらないと思っています。
月額300円ですら払いたくないとすると、仮に流行るとすれば民間で無料で実施できるものになりますかね。
………結局広告のビジネスモデルでの実施になりそうだな、というのが私の見解です。