本当にそう思ってる?りそ◯銀行はなぜ専業主婦にiDeCoを勧めるのか

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私は職業柄iDeCoの相談を受けることが多いです。

税務上メリットはあるものの、基本的に私は懐疑的ではあるので、退職金のないサラリーマンにはおすすめするようにしています。

 そして、最近ママさんからの相談でもiDeCoに加入すべきか?と聞かれることがあります。

 

 

確定拠出年金スタートクラブ

どう考えても専業主婦のママさんにはメリットなんてないと思っていますが、そこで見つけたのがりそな銀行が運営するiDeCoに関する「確定拠出年金スタートクラブ」というサイトの以下の記事です。

 

所得がない専業主婦(主夫)でもiDeCoを始めた方が良い3つの理由

dc-startclub.com

(見れない方はこちら)

https://daily-ands.jp/posts/5a619efc73f32175b6889361/ 

 「確定拠出年金スタートクラブ」はりそな銀行が運営するオウンドメディアです。

りそな銀行と言えば、メガバンクに続く大きい銀行だと思いますが、そんな金融機関がなぜこんな記事を堂々とネット上に出しているのか気になりましたので内容を拝見。

当然主婦の人もういっぱいこういう記事を読んでいると思いますので、ぜひとも本当に専業主婦でもiDeCoを始めた方が良いのかどうかをちゃんと考えて欲しいです。

 

 

専業主婦がiDeCoで受けるメリットは?

 

記事に書かれているメリットは要約すると以下のとおりです。

 

①長期の資産形成に役立つ

②自分名義の年金を作れる

③運用益が非課税

 

メリット①は退職金がない主婦にとって退職金の代わりになるのがiDeCoだと書いてあります。

個人的に「だから何?」という話で、退職金とは聞こえがいいですが、単に何十年も引き出せない積み立てをすることに何の意味があるのでしょうか?

だったら普通に銀行で積み立てをしていけばいいだけの話で、メリットとはいいがたいと思いました。

 

メリット②は夫の会社が倒産したり、離婚したりした場合に自分名義の年金が作れるということです。

一見一理あるように見えますが、本当に正しいでしょうか?

もし離婚したりした場合、あなたは働きに出て毎日の生活もとんでもなくカツカツになるでしょう。

その中で月額数万円のiDeCoの出費はかなり痛いはずです。

また、忘れていはいけないのが自分のiDeCoの拠出金は専業主婦である以上、夫の給料から出ているのです。

ですので、夫の会社が倒産しても自分の年金を確保できるという理屈は筋が通りません。

 

メリット③の非課税はおっしゃるとおりですが、主婦のあなたはそんなに運用を積極的にやるのでしょうか?

もしそうでなければ、このメリットは意味がないですし、仮に運用を積極的にやられるのであれば運用損が出たケースや手数料、資金の流動性を加味すると、積立NISAのほうが確実にメリットがあります。

 

上記のようにりそなのメディアが啓蒙する主婦のメリットとはおおよそメリットとは言いがたいものばかりで、正直無理矢理メリットを表面的に記事にしたものでしかありませんでした。

 

 

デメリットのほうが大きい

このりそなのオウンドメディアの記事がフェアーでないのはデメリットが一切記載されていないことです。

かわりに私が思う専業主婦がiDeCoをやった場合のデメリットをまとめていこうと思います。

 

銀行の運営管理手数料がかかる

りそな銀行の場合、年間で手数料を3,792円取ることになります。

専業主婦の場合、iDeCoのメリットには経済的メリットが含まれていません。

通常iDeCoのメリットは税務上の控除があるため、多少運営管理手数料がかかってもやる価値があるのです。

しかし、専業主婦にはそれがありませんから、毎年赤字を垂れ流すことになります。

しかも、解約ができませんから、20歳からはじめたら銀行に15万円くらい払うことになります。

そのほかにも設定時や掛け金の受け取り時に手数料がかかります。

経済的メリットがない中で本当にやる意味があるでしょうか?

 

社会保険料のリスク

iDeCoはたしかに税制上の節税効果はありますが、社会保険料は免除になりません。

公的年金による受取の方法によっては収入が発生したと見なされるため社会保険料を納める必要があります。

当然ですが銀行での積立の場合は所得と見なされないため社会保険の心配は不要です。

 

iDeCoは60歳まで引き出せない

先ほど言ったとおり、専業主婦最大のリスクは働いている夫が死ぬことではないでしょうか。

夫の死には絶対に備えるべきであり、何かあった際には自分と子供を守るために、とにかく手元資金が必要になります。

しかし、iDeCoはあなたがどんなに苦境に陥ろうがお金の積み立てをとめることはできません。(積立額を減額はできます)

60歳まで塩漬けになるのです。

同じお金を拠出するなら、まだ積立の生命保険のほうが幾分マシでしょう。

それでも自由なお金を減らしてまでやりますか?

管理の甘い金融機関のオウンドメディア 

最近の金融機関はオウンドメディアの構築にとても前向きですが、一方で管理がずさんだと感じています。

金融商品の販売者というのは、本来金融商品の販売時にメリットだけでなくデメリットをしっかりと説明すべきですが、オウンドメディアでは投資に関するデメリットの説明がほとんどありません。

「販売時に説明します」ということかもしれませんが、わかりやすいコンテンツとは裏腹に、申込時に書面で難しい単語を並べてデメリットがわかりずらくなってしまうと、デメリットよりもメリットのほうが浮き彫りになってしまいます。

 

最後に

なぜりそな銀行のような金融機関の大手がこんな情報を出すのでしょうか。

個人レベルのブロガーや中小メディアであればまだわかりますが、こんなことを支店の営業マンはやっているのでしょうか。こんなことをしていては後々揉めることが多いでしょう。

これではまるで知識のない主婦にメリットだけを示して、解約不能なiDeCoに加入させようとする悪意を感じてしまってもしょうがないです。

金融機関のオウンドメディアは広告と同じようなコンプライアンスが必要だと感じるのは私だけでしょうか。

主婦の皆様ぜひとも慎重な選択をお願いできればと思います。

ちなみにiDeCoについての情報はこちらがおすすめです。

www.ideco-401-k.com